歯列矯正歯科とは orthodonic
歯科の『矯正治療』とは、「出っ歯」や「でこぼこの歯並び」などの『不正咬合』とよばれる噛み合わせのズレや歯列の乱れを、矯正装置によって整える治療のことをいいます。
矯正治療によって噛み合わせや歯並びを整えることで、清潔感のある美しい口元を手に入れられるだけでなく、自信がもてるようになったり、コミュニケーションが積極的にとれるようになったりするなど、精神的にポジティブな変化も得られます。
また、適切な噛み合わせと歯並びは、体にもよい影響を与えます。適切な噛み合わせでしっかりと噛めるようになると胃腸への負担が軽減されるだけでなく、整った歯並びは歯磨きがしやすいため、虫歯や歯周病にかかるリスクも低くなります。また、噛み合わせのズレが原因となっていた肩こりや頭痛、顎関節症などの症状が改善する場合もあります。
矯正治療は、大人になってからでも始められるので、「歯並びが気になる」、「歯並びをきれいにしたい」と思ったら、お気軽にご相談ください。
治療後の歯並びのシミュレーションを
その場で確認できる「口腔内3D光学スキャナー」
当院では、矯正治療に『口腔内3D光学スキャナー』を導入しています。これは、特殊な光を歯にあてて撮影することで、約10万に及ぶ歯型を採るためのポイントを計測し、患者さまの歯の形状や歯列の状態をデータとして取得することができる機器です。
矯正装置を作製する際には、一般的にはシリコンやゴム製の印象材を使って歯型とりを行ないますが、口腔内3D光学スキャナーを使用すると、印象材によるお口の不快感をもつことなく、歪みや変形、ズレのない精確性の高い歯型がとれます。
また、口腔内3D光学スキャナーで取得したデータをもとに患者さまのお口の状態を3Dグラフィックで再現し、それを使ってコンピューター上で矯正治療のシミュレーションを行なうことも可能です。
これにより、患者さまは治療後の歯並びがどのような状態になるのかを、事前に確認できるのです。
- 歯型をとるときに不快感がない
- お口のなかをスキャンするだけで精緻な歯型がとれる
- スキャンした歯型のグラフィックをその場で確認できる
- 採取した歯型はデータ化されるので変形・劣化がない
歯列矯正を始める時期
成人矯正/中学生以降から始める大人の矯正
『矯正治療』というと、「小さな子どものうちに受けるもの」というイメージをおもちの方も多いと思いますが、歯の見た目や健康が気になりはじめるのは、大人になってからという方がほとんどではないでしょうか。
小さな子どもうちに矯正治療を始めると、「成長力を利用してスムーズに歯を移動させられる」のはたしかですが、「大人になってからでは遅い」ということはありません。矯正治療は、健康な歯と歯肉があれば、年齢に関わらず矯正治療を始められます。
また、成人矯正では、患者さまのライフスタイルやご要望に合わせて矯正装置を選択できます。『舌側矯正』や『マウスピース型矯正装置』などの目立たない矯正装置による治療もご提案できますので、歯の表側に装置をつけたくないという方も、ぜひ一度ご相談ください。
小児矯正/乳歯列・混合歯列のころから始める子どもの矯正
歯並びが乱れる原因には、「顎が小さく歯がきれいに並ぶスペースが充分にない」ということがあります。
まだ乳歯が生えている小児期に、成長力を利用して顎の骨を拡げる治療を行なうことにより、顎のバランスを整えて、永久歯が並ぶためのスペースを確保できます。これにより、永久歯が生えそろってから矯正治療をしなくてもよい可能性や、抜歯せずに歯並びを整えられる可能性が高まります。
また、顎の成長をコントロールしながら噛み合わせを改善することで、顎の変形や輪郭のゆがみが生じることを回避することができます。
小児矯正を始める適切なタイミングは、お子さまのお口の状態によって異なるため、歯並びが気になった段階で一度ご相談ください。
目立たないクリアな
マウスピースによる歯列矯正
Mouthpiece
透明なマウスピース型矯正装置
患者さま一人ひとりに合わせてカスタムメイドで複数枚作製し、歯並びの変化に合わせて次の段階のマウスピース型矯正装置と定期的に交換していきます。それにより少しずつ歯を移動させ、整った歯並びへと改善できる仕組みになっています。透明で目立たないという特徴があるため、ワイヤー矯正のような目立つ矯正装置に抵抗をおもちの方に適しています。
取り外しが自分でできるため、マウスピース型矯正装置のない状態で普段どおりに食事や歯磨きができ、ストレスがありません。マウスピース型矯正装置自体も簡単に清掃でき、衛生的に使えます。
マウスピース型矯正装置の特徴とメリット
● 透明で目立たない
歯1本1本に装置がつくワイヤー矯正とは異なり、装置が透明で目立たないので快適に使えます。
● 取り外して清掃できる
装置を自分で取り外せるため食事や歯磨きのストレスがなく、清掃して清潔に使えます。
● 一人ひとりに合わせた治療計画 治療計画に基づくカスタムメイドでの作製
患者さまの治療計画に合わせて複数枚の専用マウスピース型矯正装置を作製するため、無理なく適切に歯を移動させられます。
● 口の中が傷つきにくい
突起がないためお口の中で引っ掛かりにくく、唇などの粘膜が傷つく心配がありません。
● 金属アレルギーの心配がない
素材に金属が使われていないため、金属アレルギーの方でも治療を受けられます。
幅広い症例に適応
交叉咬合(クロスバイト)
上下の歯がどこかで交叉している
上顎前突(出っ歯)
上の前歯が、下の前歯に比べて極端に前に出ている
叢生(乱ぐい歯、八重歯)
歯が重なり合い、でこぼこしている
開咬(オープンバイト)
上下の歯が噛み合わない
空隙歯列(正中離開、すきっ歯)
前歯の間にすき間がある、または全体的にすき間がある
過蓋咬合(ディープバイト)
下の歯が見えないくらい上の歯が深く被さる
見えにくい裏側からの
舌側矯正
Lingual
一般的な矯正治療で使用されるワイヤーやブラケットによる矯正装置を、歯の表側ではなく歯の裏側(舌側)に装着して歯並びを整える矯正治療方法を、舌側矯正(裏側矯正・リンガル矯正)といいます。
歯の裏側に装着した矯正装置は、ほとんど見えることがないため、周囲の人に気づかれずに歯並びを整えられます。また、治療中の装置による見た目を気にする必要がないため、治療中の患者さまの心理的ストレスを軽減します。
ただし、特殊な装置と歯科医師の高い技術力が必要な治療となるため、ほかの矯正治療よりも治療費はやや高額になります。
メリット
- 矯正装置が見えにくく、矯正治療中であることが周囲に気づかれにくい。
- 前歯をしっかりと後ろに引っ張ることができるため、出っ歯などの前歯の歯並びの改善に適している。
- 舌が装置に触れてしまう違和感によって舌で歯を押す癖が改善しやすく、装置を外したあとも後戻りがしにくくなる。
表側矯正 Orthodontics
通常の表側からの矯正
歯の表面にブラケットとよばれる矯正装置を取り付けてワイヤーを通し、ワイヤーを引っ張る力で歯を移動させる一般的な矯正治療方法です。 お口を開けると矯正装置が目立つという点がデメリットではありますが、治療実績が多く、幅広い症例と年齢に適応できます。また、発音が妨げられることがほとんどなく、治療費も抑えることができます。金属ではなく白いセラミック製のブラケットをを選択すれば、矯正装置ができるだけ目立たないようにできます。
メリット
- 矯正装置が見えにくく、矯正治療中であることが周囲に気づかれにくい。
- 前歯をしっかりと後ろに引っ張ることができるため、出っ歯などの前歯の歯並びの改善に適している。
- 舌が装置に触れてしまう違和感によって舌で歯を押す癖が改善しやすく、装置を外したあとも後戻りがしにくくなる。
3次元的な表側矯正(マルチループ・エッジワイズ矯正)
当院では、『マルチループアーチワイヤー』を使った『3次元的な表側矯正』をご提供できます。
マルチループアーチワイヤーは、マルチループという輪の形状に屈曲させた特殊なワイヤーのことで、1本1本の歯を3次元的かつ同時に動かせます。
短時間でダイナミックな歯の移動が可能となるため、一般的なワイヤーを使用した場合の約1/2~1/3の期間で治療を完了させることができます。
また、『3次元的な表側矯正』では、歯がきれいに並びきるスペースを確保したり、歯を後ろに動かしてすき間を作ったりできるため、一般的なワイヤーを使う場合では抜歯する必要があった症例でも、抜歯せずに治療ができる可能性が高まります。
メリット
- 歯の角度を1本1本変えられる
- 一般的なワイヤーを使った場合より、治療期間を短縮できる。
- 顎を拡げたり、歯を後ろに大きく動かしたりすること、抜歯せずに治療できる
- 弱い力を持で続的に加えられるため、永久歯の矯正治療にも効果的
- 「前後」だけでなく「上下」にも歯を動かすことができるため、全体の噛み合せのバランスが整えやすい
治療症例 case
現在準備中
歯列矯正歯科の
よくある質問
Q&A
矯正治療中に痛みを感じることはありますか?
矯正装置をつけることで歯を動かすための力がかかるので、装置を装着した直後や、ワイヤーの交換などで装置を調整した直後の2~3日は、歯が浮くような違和感を覚えることがあります。
ただし、これは歯が動きだしている証拠ですので、心配はありません。
マウスピース型の矯正装置による治療は、ワイヤーを使った矯正治療よりも弱い力で歯を動かしていくため、痛みが少ないとされています。
虫歯があるのですが、虫歯を治療してから矯正治療をした方がよいですか?
矯正治療を行なうためにはお口の状態が健康であることが必要なので、矯正治療の前に虫歯治療を受けていただくことにはなるのですが、患者さまによっては矯正治療によって歯並びを整えるために抜歯が必要な場合があります。虫歯にかかっている歯が抜歯する歯だった場合、虫歯の治療費や時間が無駄になってしまう可能性がありますので、まずは矯正歯科で診察を受け、矯正治療について相談していただくことをおすすめします。
矯正治療は誰でも受けることができますか?
基本的に年齢を問わず誰でも矯正治療を受けることができます。ただし、歯周病や虫歯などの病気にかかっている場合には、矯正治療を始める前に虫歯や歯周病を治療する必要があります。
- 矯正治療のリスク・副作用、装置に関する注意事項
- 舌側矯正・表側矯正
・矯正装置によって頬や唇の内側などの粘膜に傷が付いたり、口内炎になったりすることがあります。
・矯正装置を装着した直後や、ワイヤーを交換した直後は個人差がありますが違和感や痛みを痛みが生じる場合がありますが、ほとんどの場合は、2~3日でおさまります。また、冷たいものを飲んだときにしみる場合がありますが、これも多くの場合は数日でおさまります。
・矯正装置を装着することにより、お口の自浄作用が低下し、虫歯や歯周病にかかるリスクが高まります。また、装置のすき間などに歯垢が溜まりやすくなるため、歯科医院で受けた指導通りに適切に歯磨きを行なう必要があります。
・舌側矯正の場合、舌に矯正装置があたることで、発音しづらいことがあります。多くの場合は数ヵ月で慣れます。
・歯の動き方には個人差があるため、診断時に予測された治療期間よりも長くなる可能性があります。
・矯正装置を歯から取り外す際に、歯の表面のエナメル質にクラックと呼ばれる微小な亀裂が入る可能性や、補綴物の一部に破損が生じる可能性があります。
歯を移動することにより、歯根が吸収して短くなったり、歯肉が退縮したりする場合があります。
・毎日のケアが不十分だった場合、インプラントの周囲の組織が炎症を起こし、インプラントを固定できなくなる可能性があります。 - マウスピース型カスタムメイド歯科矯正装置による矯正治療
・歯を大きく動かす必要がある症例など、患者さまのお口の状態によっては、『マウスピース型カスタムメイド歯科矯正装置による矯正治療』が適していない場合があります。
・長時間マウスピース型の矯正装置を装着するため、歯磨きが充分にできていない場合では、虫歯や歯周病のリスクが高まります。
・患者さまご自身で取り外しが可能な矯正装置ですが、決められた時間装着いただけない場合には、十分な治療効果が得られず、追加の治療が必要となる場合があります。
・歯を移動することにより、歯根が吸収して短くなったり、歯肉が退縮したりする場合があります。 - 治療終了後の注意点
・歯の移動が終了したあと、後戻り防止するための保定装置(リテーナー)を適切に使用いただけない場合や、定期的な経過観察やメンテナンスを受けていただけない場合には、歯並びの後戻りが生じる可能性が高くなります。
・さまざまな要因で噛み合わせや歯並びが変化した場合、再治療などが必要になることがあります。